今回の記事では、銅及び銅合金における圧延加工のポイントをご説明します。銅圧延における基礎知識も併せてご説明しますので、是非参考にしてください。

銅とは?

銅とは、電気伝導率及び熱伝導率が高く、加工性に優れた金属です。原子番号29の元素であり、元素記号は「Cu」となります。鉄やアルミに次いで流通量が多く、様々な用途で使用されています。

銅の特徴と用途

銅の大きな特徴として、①電気伝導率が高い②熱伝導率が高い③優れた加工性、が挙げられます。

電気伝導率が高い

銅は、金属の中で2番目に電気伝導率が高く、電線などに多く使われています。電線だけでなく、その高い電気伝導率から様々な電子部品にも使用されています。

熱伝導率が高い

銅は、電気伝導率と同じく熱伝導率も高いという特徴を持ちます。

優れた加工性

銅は、加工性が優れているということに加えて、比較的に価格が安い為、昔から様々な分野で使用されてきました。展延性が高く、圧延などの塑性加工や切削加工などにも適しています。

銅合金

銅は、亜鉛やスズ、ベリリウムなど様々な金属との合金にすることで、黄銅、青銅、ベリリウム銅など純銅に比べて機械的性質を向上させることができます。

銅及び銅合金の圧延加工におけるポイント

前述のとおり、銅は様々な用途で使用されていますが、当社はそれらの素材となる銅及び銅合金を圧延する圧延機を製造しています。銅及び銅合金の圧延と言っても、板圧延、箔圧延、溝圧延、線つぶし圧延など圧延の方法は様々で、それぞれの圧延加工におけるポイントをご説明します。

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板圧延

銅及び銅合金板の圧延では、短尺材の場合は圧延機入出側にローラーテーブルなどを設置したり、短尺でも前後張力を掛けたい場合はバックテンション装置やピンチロール式張力発生装置を設けることもあります。コイル材の場合は巻出機、巻取機で前後張力を掛けながら圧延を行います。ご要望により板厚計やワイパー、圧延油装置、材料挿入装置などのアクセサリーを付けることも可能です。

箔圧延

銅及び銅合金箔の圧延では、基本的には巻出機、巻取機を設け前後張力を掛けながらロールtoロールで圧延します。銅箔の圧延ではできるだけワークロール径を小さくする必要があり、薄板でさらに板幅が広くなってくると多段圧延機にして形状制御(ロールベンダー、ロールシフト、ペアクロスなど)を行い板幅方向の板厚精度を高めます。

溝圧延、線つぶし圧延

銅及び銅合金の溝圧延では、大型の圧延機では40mm□以上の角棒から、小型の圧延機では1mm□程度の棒線まで溝圧延で仕上げることができます。溝圧延とは、円柱形状や角形状のインゴットから徐々に断面積を減少させて、棒線材料を作る圧延方法です。四角で断面積を減少させていくだけでなく、溝形状を変えることで、丸オーバルで径を小さくしていくことも可能です。また、線材をテープ状に圧延する線つぶし用圧延機の製作もできます。

冷間圧延、熱間圧延

板圧延でも溝圧延でも、冷間圧延機だけでなく、熱間圧延機の製作も可能です。特に材料サイズの大きい粗圧延では材料を加熱した熱間圧延で圧下率を大きくとり、箔圧延などの仕上げ圧延では冷間(常温)で圧延することがあります。圧延条件によっては圧延ローラーにロールヒーターを組込み表面温度を上げておくこともできます。

銅及び銅合金の圧延機は当社にお任せください

銅及び銅合金の基礎知識、銅の圧延加工におけるポイントについてご説明させて頂きました。
圧延機・ロールプレス.comを運営する大野ロールは、銅及び銅合金を対象とした圧延機の納入実績を数多く保有しています。銅及び銅合金の様々な圧延を行うことができ、これまで培ってきたノウハウ・経験を活かし、圧延条件のご相談もお受けしています。また、銅及び銅合金の圧延加工を新たにご検討中で、既設機を用いて行いたいというご要望をお持ちの皆様、既設圧延機の改造も可能です。銅及び銅合金の圧延加工を行う圧延機の導入を検討中の皆様、お気軽に当社に御相談ください。

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