今回の記事では、チタン及びチタン合金における圧延加工のポイントをご説明します。チタンの圧延における基礎知識も併せてご説明しますので、是非参考にしてください。

チタンとは?

チタンとは、高い強度を持ちながら非常に軽量な金属です。原子番号22の元素であり、元素記号は「Ti」となります。

チタンの特徴と用途

チタンの大きな特徴として、①高強度②高耐食性③軽量、が挙げられます。

高強度

チタンは、鉄の約2倍の強度を持つ非常に高強度な材料として知られています。

高耐食性

チタンは、錆びにくく、高い耐食性を持ちます。その為、ステンレス鋼と同じように医療系の分野などで使用されることもあります。

軽量

チタンは、高強度ということに加えて、非常に軽いという特徴を持ちます。その為、自動車や航空機など強度を保ったまま軽量化したいという場面で使用されることもあります。

チタン合金

チタンは、ニッケルなどとの合金にすることで形状記憶合金として広く使われています。

 

チタン及びチタン合金の圧延加工におけるポイント

前述のとおり、チタンは様々な用途で使用されていますが、当社はそれらの素材となるチタン及びチタン合金を圧延する圧延機を製造しています。チタン及びチタン合金の圧延と言っても、板圧延、箔圧延、溝圧延など圧延の方法は様々で、それぞれの圧延加工におけるポイントをご説明します。

>>圧延加工について、詳しくはこちら!

板圧延

チタン及びチタン合金板の圧延では、難加工材ということもあり粗圧延は熱間圧延を行うことが多く、材料が冷めないうちにより早く次のパスを行う必要があります。入、出側にそれぞれオペレーターが付いてリバース圧延を行ったり、材料の尻抜け後に自動で次のパスへロールギャップを変更する圧下プリセット機構など様々な機構、前後装置を取付け圧延をより早く行えるようにします。さらに早く行いたい場合は圧延機を複数台並べて熱間タンデム圧延を行うことも可能です。

箔圧延

チタン及びチタン合金箔の圧延では、基本的には巻出機、巻取機を設け前後張力を掛けながらロールtoロールで圧延します。チタン箔の圧延ではできるだけワークロール径を小さくする必要があり、薄板でさらに板幅が広くなってくると多段圧延機にして形状制御(ロールベンダー、ロールシフト、ペアクロスなど)を行い板幅方向の板厚精度を高めます。

溝圧延

チタン及びチタン合金の溝圧延では、板圧延と同様に熱間で10~20台溝圧延機を並べたタンデム圧延で、例えば素材約20mm角から仕上がり約8mm角まで熱間圧延を行った実績もあります。研究用などでは基本的にシングル圧延機が多いですが、生産用としてはタンデム圧延を行うことがあります。

冷間圧延、熱間圧延

板圧延でも溝圧延でも、冷間圧延機だけでなく、熱間圧延機の製作も可能です。特に材料サイズの大きい粗圧延では材料を加熱した熱間圧延で圧下率を大きくとり、箔圧延などの仕上げ圧延では冷間(常温)で圧延することがあります。圧延条件によっては圧延ローラーにロールヒーターを組込み表面温度を上げておくこともできます。

チタン及びチタン合金の圧延機は当社にお任せください

チタン及びチタン合金の基礎知識、チタンの圧延加工におけるポイントについてご説明させて頂きました。
圧延機・ロールプレス.comを運営する大野ロールは、チタン及びチタン合金を対象とした圧延機の納入実績を数多く保有しています。チタン及びチタン合金の様々な圧延を行うことができ、これまで培ってきたノウハウ・経験を活かし、圧延条件のご相談もお受けしています。また、チタン及びチタン合金の圧延加工を新たにご検討中で、既設機を用いて行いたいというご要望をお持ちの皆様、既設圧延機の改造も可能です。チタン及びチタン合金の圧延加工を行う圧延機の導入を検討中の皆様、お気軽に当社に御相談ください。

>>圧延機・ロールプレス.comの圧延機納入事例はこちら!

>>圧延機・ロールプレス.comの圧延機改造事例はこちら!