圧延加工とは、対になる2本のローラ間に金属等の板や棒を通して、所定の厚みに形成する加工方法ですが、その方法は多岐にわたり、圧延加工品が用いられる業界や用途によって最適な圧延加工を選択する必要があります。

ここでは、圧延加工自体の説明から種類、特徴、製品、圧延加工機の種類まで、まとめて解説いたします!

圧延とは?

まず、圧延という言葉に関する説明です。

圧延とは、対になる2本のローラ間に金属等の板や棒を通して、所定の厚みに成形することを意味します。金属には、弾性変形の限界値を超える力を加えると永久変形する性質があり、その性質を利用した塑性加工の1種です。その言葉の通り、ロールを通して材料に膨大な圧力をかけることで、金属の塑性という性質により金属が薄く延びた状態で成形されます。

ちなみに、金属の塑性には延性と展性という性質があります。圧延という言葉からすると、延性と関係があるように見えますが、実は圧延は展性によるものです。延性とは、引っ張ることで金属が伸びる性質のことで、展性とはたたく(圧力をかける)ことで金属が薄く伸びる性質のことを言います。つまり、ローラによって圧力をかけるという点から、圧延とは金属の塑性という性質のうち、展性を使った技術と言えるのです。

この金属の塑性という性質は、金属結合という金属ならではの性質によるものですが、この性質を活かした方法としては鍛造という方法もあります。一般的には鍛造は叩いて延ばすというイメージがありますが、圧延もロールによる連続的な鍛造と捉えることもできます。このように金属の加工方法においては、塑性の特性が欠かせないのです。

 

圧延加工とは?

圧延加工とは、金属を圧延する加工方法のことです。英語では”rolling mill”と主に呼ばれますが、ローラ間に材料を通して、弾性変形の限界値を超える力を加えることで塑性変形させ、ロールギャップを変えることで希望の寸法に仕上げます。板材だけでなく棒材や異形材、粉末等いろいろあり、掛けられる圧力はロールの外径や軸受の荷重によって左右されますが、回転するローラによって金属を長さ方向に延ばしながら、一定の断面積に減少させる点では同様です。

圧延加工に使用されるロールは2本以上であり、求める形状によってロールの本数や加工機も大きく異なります。

 

圧延加工の種類

圧延加工は、熱間圧延冷間圧延の2つに大きく分類されます。その名の通り、温度によって分類されますが、圧延加工によって得られる材料に求める要素によって使い分けが必要です。

>>熱間圧延と冷間圧延の違いについて

その他にも、圧延加工には下記のような種類があります。

・溝圧延(棒線圧延)
・非酸化雰囲気圧延
・粉末圧延
・直接圧延

溝圧延(棒線圧延)とは、円柱形状や角形状のインゴットから徐々に断面積を減少させて、棒線材料を作る圧延方法です。溝圧延機を複数台並べてタンデム圧延機にすることもできます。

非酸化雰囲気とは、酸素の無い雰囲気中で板や粉末を圧延する加工方法です。酸化させたくない材料の圧延に適しており、アルゴン等の不活性ガス雰囲気として圧延室にガスを封入することもできます。

粉末圧延とは、横型の圧延機に金属粉末を連続的に投入してグリーンシートを成形する加工方法です。粉末圧延でできたグリーンシートを焼結しリロールする作業を繰り返すことで密度の高い板の成形もできます。

直接圧延とは、溶湯圧延とも呼ばれ、溶かした金属を圧延ロールで急冷しながら圧延することで鋼板を製造する金属加工方法です。

 

圧延加工の特徴

圧延加工の特徴は、主に以下の5つにまとめることができます。

・連続的に製造ができる
・高速で製造ができる
・製品精度が高い
・大量生産に向いている
・生産コストが低い

>>圧延加工の5つの特徴とは??

 

圧延加工が用いられる製品・業界

圧延加工によって作られた製品は、様々な業界に使用されています。

まず圧延加工は、様々な鋼板や金属箔、金属板や金属棒など原材料、いわゆる一次加工品の製造を目的に使用されます。この一次加工品が、様々な業界に使用されます。

日常生活に近い業界でいうと、飲食業界では飲料缶アルミホイルに圧延加工品が使用されています。また、電化製品も電池や部品等、圧延加工品が使用されることが多いです。さらに、自動車のボディ建材にも延加工品が多く使用されています。

圧延加工では、製造できる厚みが数ミクロンから数百ミリと幅広く、さらに連続的に高精度な厚みの鋼材等を製造することができます。さらに、見た目が綺麗な加工をすることが出来るだけではなく、表面に特殊な加工をすることで粗さを変えたりすることもできます。

このように汎用性が広く、かつ大量生産に向いている加工方法であるため、圧延加工品は日用品から産業用途まで、幅広く使用されています。

 

圧延加工を行う圧延機の種類

一般的な圧延機は、複数のロールによって構成されていますが、そのロールは材料を直接加工するワークロールと、ワークロールを支持するために使用されるバックアップロールに分類されています。

しかし、ロール以外の部分では、圧延機は製造メーカーによって仕様が多種多様で、その用途もお客様によって様々です。圧延機・ロールプレス.comを運営する大野ロール株式会社では、下記のような圧延機のラインナップがございます。

・冷間圧延機
・熱間圧延機
・手動、電動圧下式圧延機
・油圧圧下式圧延機
・卓上型圧延機
・精密2/4/6段圧延機
・小型、大型2/4段圧延機
・多段圧延機
・DR圧延機
・ユニバーサル圧延機
・非酸化雰囲気圧延機
・真空圧延機
・低露点圧延機
・ペアクロス圧延機、スキュー圧延機
・ロールシフト圧延機
・異周速圧延機
・溝圧延機(棒線圧延機)
・3段圧延機
・タンデム溝圧延機
・リバース式タンデム溝圧延機
・線つぶし圧延機
・線つぶし用タンデム圧延機
・粉末圧延機
・直接圧延機
・その他特殊圧延機

また当社では、自社製の圧延機の修理・メンテナンスはもちろんのこと、一部ユニットを入れ替える改造や、他社メーカー製の圧延機の修理・メンテナンスにも対応している、圧延機メーカーです。上記以外の圧延機でも、お客様からご要望をいただけましたら、圧延機のプロによる診断、メンテナンスをいたします。

 

圧延機の修理・メンテナンス事例

続いて、実際に当社が行った圧延機の修理・メンテナンス事例のご紹介です。

>>圧延機の修理・メンテナンス事例はこちら

 

圧延機の改造事例

続いて、実際に当社が行った圧延機の改造事例のご紹介です。

>>圧延機の改造事例はこちら

 

圧延機の納品実績

続いて、実際に当社が納品した圧延機の実績のご紹介です。

>>圧延機の納品実績一覧はこちら

 

圧延加工のことなら、圧延機・ロールプレス.comにお任せください!

圧延機・ロールプレス.comを運営する大野ロール株式会社は、圧延機やロールプレスの修理メンテナンスから改造、装置の設計・製造までを行う塑性加工機メーカーです。当社は1927年の創業以来、圧延機を中心としたあらゆる塑性加工機メーカーとして、多くのお客様に装置を納品してまいりました。また、ただ装置を設計・製造するだけでなく、修理メンテナンスにも注力しており、お客様に長く安心して装置を使用していただけるよう、日々様々なご提案をしております。

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